NUGT金鉱株ETFとバリュー平均法 その3

NUGT金鉱株ETFとバリュー平均法その3

1回目と2回目はそれぞれ期間の違いによるNUGTとGDXを比較検証しました。長期にわたってもNUGTのバリュー平均法が有効であることが分かりました。

今回は、それぞれの結果を他の投資方法と比べてみます。

2016年7月1日から2022年2月1日までの比較

この期間のチャートは以前使用したものと同じで期間も全く同じです。

NUGT2016年7月1日~2022年2月1日

ここに、バリュー平均法と、ドルコスト平均法、ノーセルバリュー平均法、一括投資の4つのパターンで投資した場合のシミュレーションを比べてみます。

バリュー平均法とノーセルバリュー平均法がバリューパス10,000円/日、ドルコスト平均法が10,000円/日、一括投資は投資期間×10,000円を最初に投資したとします。10,000円以上は購入できないので最小購入単位は1/100としてシミュレーションします。

まず一括投資の場合、上の値動きそのままがパフォーマンスの推移になります。結果は

  • 投資額 14,070,000円
  • 評価額  1,176,068円
  • 収益額 -12,893,912円
  • 収益率 -91.6%

チャートどおりの悲惨な結果となっています。

バリュー平均法の場合

バリュー平均法のパフォーマンスの結果はその1のところで書いたのとほぼ同じ

  • 投資額 15,299,982円
  • 評価額 25,651,009円
  • 収益額 10,351,028円
  • 収益率 67.7%

になります。そのパフォーマンスのグラフは次のようになります。後半価格がグッと落ちてしまってからがパフォーマンスが格段に上がっています。

ドルコスト平均法の場合

ドルコスト平均法の投資結果は次のとおりです。

  • 投資額 13,977,153円
  • 評価額  6,762,350円
  • 収益額 -7,214,802円
  • 収益率 -51.6%

資産は半分以下に目減りしています。この間のパフォーマンスのグラフは次のとおりです。価格が一時的に反発しているポイントでプラスになっているのはすごいことですが、結果的にはそのあとの下落にはついていけませんでした。

ドルコスト平均法のパフォーマンス

ノーセルバリュー平均法の場合

売却をしないバリュー平均法のパフォーマンスは次のとおりです。

  • 投資額 199,251,187円
  • 評価額 129,796,469円
  • 収益額 –69,454,718円
  • 収益率 -34.9%

収益率ではドルコスト平均法よりはマシですが、投資金額が2億円近くになっています。損失額もあり得ないほど多額です。パフォーマンスのグラフを見ると、上のバリュー平均法のバリューパス(≒評価額)と全く同じパス設定なのにもはや乖離しすぎて機能していません。

ノーセルバリュー平均法のパフォーマンス

2010年12月8日から2022年2月18日までの比較

それではその2で検証したチャートを使ってもっと長期で比較したらどうなるでしょうか。

NUGT長期チャート1

バリュー平均法とノーセルバリュー平均法がバリューパス10,000円/日、ドルコスト平均法が10,000円/日、一括投資は投資期間×10,000円を最初に投資したとします。10,000円以上は購入できないので最小購入単位は1/100としてシミュレーションします。条件は全く蒸気機関と同じです。

一括投資の場合は下記のパフォーマンスになります。

  • 投資額 28,200,000円
  • 評価額  21,202円
  • 収益額 -28,178,798円
  • 収益率 -99.9%

みごとに投資金額のほとんどを失うことになりました。

バリュー平均法の場合

バリュー平均法の投資結果はその2のところでシミュレーションした結果のとおりです。

  • 投資額 23,692,721円
  • 評価額 55,171,003円
  • 収益額 31,478,282円
  • 収益率 132.9%

になります。投資額以上の収益をあげていて、期間が短い時よりもさらに収益が増えています。そのパフォーマンスのグラフは次のようになります。

バリュー平均法のパフォーマンス

ドルコスト平均法の場合

ドルコスト平均法の投資結果は次のとおりです。

  • 投資額 21,849,890円
  • 評価額 10,101,152円
  • 収益額 -11,748,738円
  • 収益率 -53.8%

資産は半分以下に目減りしています。瞬間的に投資額を上回る時もありますが、投資額の増加に評価額がついていけていません。最初の価格があまりにも高い時期に1/100でシミュレーションしてもなお購入できない期間が長く続いています。仮にこの間に購入していると、もっとパフォーマンスは落ちることになります。

ドルコスト平均法のパフォーマンス

ノーセルバリュー平均法の場合

売却をしないバリュー平均法は長く続ければ続けるほど泥沼は拡大してゆきます。

  • 投資額 903,064,368円
  • 評価額 492,218,833円
  • 収益額 –410,845,534円
  • 収益率 -45.5%

9億円投資して4億円以上の損失を出しています。売却があるバリュー平均法と全く同じバリューパスなのですが、もはやバリューパスが地をはうように見えるくらい投資金額が膨れ上がっています。もはや、バリュー平均法ではなく、グラフはドルコスト平均法に似ています。

ノーセルバリュー平均法のパフォーマンス

結論 バリュー平均法は他の投資方法とは全く違う!

世間では、一括投資かドルコスト平均法かという論議がよくなされていますが、両方どちらでやってもマイナスになるものは ”不適格” と言われています。

バリュー平均法は売買を繰り返しながら価値の平均化を図ってゆくので、長く続ければ確定益を積み重ねてゆくことができます。もう一度バリュー平均法のグラフに、含み損益と確定損益の推移を重ねてみます。

バリュー平均法の確定損益

これを見ると、含み損益はプラスになったりマイナスになったりしながら推移していますが、その間に確定利益を確実に積み重ねていることが分かります。先ほどのシミュレーション結果でも、31,478,282円の収益のうち、確定益は26,971,016円になり、いかに確定益がパフォーマンスを向上させているかが分かります。

このNUGTのような最悪の値動きの中でも、売り買いを繰り返して価値の平均をとりながら徐々に確定益を重ねてゆくバリュー平均法は今までにはない投資方法であることがわかります。

ただし、これはあくまでもシミュレーションの結果で、現実にこのとおりに投資ができるかどうかは別問題です。バリュー平均法でも莫大な含み損の時期を乗り越えたり、1回の投資額がとんでもない額になったりという山は越えないといけません。

かなりのメンタルとまとまった資金が必要になるのは必至です。

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