バリュー平均法と誤発注

バリュー平均法と誤発注

バリュー平均法投資において、必ずと言っていいほどついてまわる問題に「誤発注」があります。どんなに注意していいても人が手で行うところに必ずミスはついてきます。バリュー平均法は、ドルコスト平均法のように計算が単純ではなく、しかもまだそれほど普及していないため自動で計算してくれる証券会社もなく、自ら手動で計算して注文を出さないといけません。ですので長期投資になると、この誤発注とどう付き合ってゆくかというルールも大切になってきます。そこで今回は誤発注について書いてゆきます。

誤発注の種類

では、その誤発注にどんな種類があるのか、私が実際に経験したものをあげてみます。よくこれだけやったなと思うくらいたくさん経験しています。

注文の単位を間違える

この誤発注は桁が多い暗号資産系でよくやってしまいます。1銘柄だけを取引していると、慎重にやれば大丈夫だとは思いますが、たくさんの銘柄を次々に注文を入れると桁が分からなくなってしまいます。多くの取引所では注文確定前に日本円に換算した金額まで表示してくれますが、その確認画面の桁数をも間違えて押してしまうことがあります。

なんかおかしい、約定がやたら何回にも分かれている。。と思ったときにはたいがい桁を間違えて多く注文していることがあります。

売りと買いを間違える

これもよくやります。最初のうちは買うばかりなのですが、だんだん売り買いが頻繁に交互に出てくるようになると、ある銘柄は買いでも、買い銘柄と売り銘柄を交互に注文ということがあります。次々に注文を入れていると、つい逆の注文を間違えて入れてしまいます。

指値で入れたつもりが瞬間に約定して、「あれっ」と思うことから気が付くこともあります。

銘柄を間違える

これも単一銘柄だけで取引していればあり得ないのですが、たくさんの銘柄を同一取引所でやっていれば画面の雰囲気が同じなので間違えてしまうことがあります。また、先程注文した画面から新しく切り替わっていないで次の銘柄と思って続けて数字だけを入力して注文を入れてしまうこともあります。指値が遠く離れていて全く約定しなかった場合はラッキーですが、瞬間に約定してしまってから気がつくこともあります。

取引証券会社を間違える

朝の東証の注文は、かなりの小ロットでやっているので注文がない日が何日も続いて、たまに買いサインが出たときに久しぶりに買うという状態です。このような場合、いちいち購入口座にログインするのが面倒なので、ついつい同じ口座でそれぞれの銘柄の価格だけを見てエクセルにゼロを入力してと、手順を少しでも省略しています。

そして、買いサインが出たときにその銘柄の購入口座にログインせずに、そのまま価格をのぞいた口座で買いボタンを押してしまったことがあります。あちこち口座をたくさん分けているとやりがちなミスになります。

エクセルの計算式が間違っている

これもよくあるミスです。計算式のコピーがうまくできておらず、また入力の桁数が間違っていたり、または違う場所に入力したりして、計算結果がずれている場合です。これはなかなか気がつくことができません。

対処としては、エクセル計算シートの上部に必ず視覚的にわかるように投資結果をグラフで表示しているのですが、このグラフの線が突然いびつになって飛び出したりした時に「あれっ」と気づいてわかります。

誤発注をしたときの対処方法

誤発注をしてしまったとき、または気付いたときには大変焦りますが、損してしまっているときと利益が出ているときとに分かれます。ただ、手数料を入れると確実に損をしています。その損失に気がいってしまいがちですが起きてしまったことは仕方ありません。

誤発注をしてしまったときの対処方法は簡単で、次の注文としてエクセルの次の行に現在の価格を入力してシートの計算式ではじかれた数値を注文するだけです。バリューパスに添うように修正がかかった数字が表れているので、誤発注と反対売買の注文数値が表れているはずです。

暗号資産系の場合は、手数料がほぼいらないのですぐに注文を入れれば何とか誤発注の穴を防ぐことができますが、証券会社はしっかりと手数料をとられます。

大切なのは続けること

誤発注の規模にもよりますが、メンタルもかなりやられます。ちゃんと投資していて負けたのであればあきらめもつきますが、バカな間違いをやらかして起きた損失というものは落ち込むものです。ここで最もやってはいけないのは、何とかこの誤発注分を取り返そうと裁量トレードをやってしまうことです。もう少し待てば買値(売値)に戻ってくるかもしれない・・・と思ってその買値(売値)にこだわってしまいどんどん時間が経ってゆく(誤発注時から価格差が開いてゆく)ことです。ちょっとでも「安く買いなおそう」とか「高く売りなおそう」と思ってすぐに対処しないと、ますます傷口を広げてしまうことの方が多くありました。なので、誤発注に気付いたらすぐに注文を入れなおすことが大事です。

誤発注もゴールまでには何回かやってしまう。税金と同じくこれも必要経費と割り切って、同じ間違いをしないようにどう工夫すればよいかだけを研究して、改善はしてゆくけれどもめげずに淡々とつづけてゆく。この切り替えメンタルも投資人生の経験を豊かにしてくれることの一つだと思っています。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です